主に製造業の会社さま向けの実例シリーズです。「こんなことが FileMaker で出来ます」ということをお客様の事例を元にご紹介したいと思います。
特に小さめの機能に着目し、「 FileMaker ってこんなことも出来るんだ」と思ってもらえればと思います。
※ 本シリーズは実装方法をご紹介するものではありませんので予めご了承ください。
Excel(エクセル)では大規模な日別データの集計には手間と時間がかかります。FileMaker(ファイルメーカー)を使用することで効率的な集計と可視化を実現できますが、メリットとデメリットを混じえてご紹介します。
このページでは次のような内容が書かれています。
- FileMaker で日別集計を行うメリット
- FileMaker で日別集計を行うデメリット
- 具体的な日別集計の例
- 具体的な日別集計のレポート例
- ながにぃの視点
- まとめ
FileMaker で日別集計を行うメリット
余談:僕は物持ちが良すぎます。20年前に買った服やコートが結構あります。作りがしっかりしているものを選んで大切に使えば長く保つんだなあと。そのため「今だけの流行」に惑わされないようにしています。10年後、20年後も活躍してくれるかどうか、そういう長い目は常に見開くように気をつけています。では本題です。
まずはエクセルと比較しながら FileMaker の全般的なメリットを見てみます。
データの統合と柔軟なレイアウト画面作成
FileMakerは、あちこちに散らばったデータを統合し、ひとまとめにデータを見る画面を作成する能力があります。エクセルでは複数のシートやファイルを扱う必要がありますが、FileMakerにはデータを1つのデータベースにまとめることができる、というメリットがあるのです。
それにより、いろんなデータを関連付けた集計を行うことも可能です(本記事では扱いません)。
自動化とスクリプト機能
FileMakerには豊富な自動化機能が備わっています。日々のデータのインポートや集計レポートの生成など、日常で繰り返し行う作業を自動化することができます。
スクリプトを活用することで、手動で行う必要があった一連の操作を自動的に実行することができます。
カスタマイズ可能なレポート
FileMaker のレポート機能は非常に柔軟であり、デザインやフォーマットのカスタマイズが比較的イメージ通りに作ることが出来ます。人によってはエクセルよりラクにレイアウト画面を作れるかもしれません。
日別の集計結果をグラフ*や表形式で視覚化し、必要な情報をわかりやすく伝えることができます。
(*グラフはある程度 FileMaker のグラフ機能を学ぶ必要はあります)
特定の要件に合わせたレイアウトやデザインを柔軟に適用できるのが強みなのです。
FileMaker で日別集計を行うデメリット
次に全般的なデメリットについて見てみます。学習コストと専門知識の必要性
FileMaker はエクセルよりも高度な機能を持っているため、初めて使用する場合は学習コストがかかることがあります。データベースの設計やスクリプトの作成には専門知識が必要です。しかし、一度習得すれば日別集計をボタン一つで行うなど、効率的で自在な処理ができるようになります。
ライセンスとコスト
FileMaker は商用のデータベースソフトウェアであり、使用するにはライセンスを購入する必要があります。エクセルと比較して、FileMakerの導入費用が高くなる場合があるのは事実です。
また、メンテナンスやアップグレードにも人件費(外注する場合はそのコスト)がかかることを考慮する必要があります。
具体的な日別集計の例
では FileMaker での日別集計がどういうものか見てみましょう。FileMaker では通常、データは1箇所にまとめられます。何年何月何日のデータであろうとも、一つのテーブル(エクセルで言えばシート)にどんどん溜まっていきます。
この例では、仮で2023年1月から2024年12月までのデータ3,000件が入っているダミーの売上情報を使ってみます。3,000件だとエクセルの場合はまあまあ扱いづらい量かと思います。
FileMaker で一番手っ取り早く集計を出すには「集計フィールド」というものを使うことになります。
そして少なからず仕組みを作らないといけません。(今回はその仕組の内容は扱いません)
FileMaker は一つ一つ手作りする必要があることはデメリットの一つと言えるのかもしれません。
ということで、いくつか仕組みを作り、ボタンも用意しました。
ひとまず、検索で2023年5月分のデータに絞り込みます。3,000件中、126件に絞り込まれました。
では「日別集計」ボタンをクリックします。
並び順が変わって、日別の売上小計がある行が出てきました。その日の内訳も入った感じになっています。
縮小してもう少しデータを表示してみるとこんな感じです。
エクセルの場合、こういった日別の集計を出そうと思うとアレコレ手間がかかるのではないでしょうか。3,000件ならまだしも、1万件以上のデータになってくると・・・。
FileMaker では、数千件~数万件のデータがあったとしてもボタンをクリックするだけで集計値を表示できるように仕組みを作ることができます。
具体的な日別集計のレポート例
日別の集計を出すのは Salesforce (セールスフォース) や kintone (キントーン) など他のクラウドツールなどでも出来ると思います。FileMaker はというと、オリジナルのレポートも作成できるという、それらにない強みがあります。FileMaker の真骨頂と言える部分の一つです。
レポート表示ボタンを押してみます。
レイアウト画面が切り替わりました。
プレビューボタンを押してみます。
PDFファイルとして保存でき、もちろん印刷もできます。
このPDF・印刷用レイアウトもやはり手作りする必要があります。その代わり比較的自由に、望みに近いものを作ることができます。
例えば会社のロゴを入れたり、フォントを変えたり、画像を置いてみたり、と見た目にこだわることもできます。
他にも色々と自在にオリジナルで作ることができます。
FileMaker は自分で色々作らないといけないデメリットがある代わりに、かゆいところに手が届く感じで希望通りのものを作れることが最大のメリットです。
ながにぃの視点
やはり FileMaker の最大のメリットが「手作り」です。集計だけならエクセルでも他のクラウドツールでもできると思いますが、
- 行を目一杯狭くしてたくさん表示したい
- 色やフォントにこだわりたい
- 画像を使うなどしてオリジナリティを出したい
業務システムは毎日のように使うことが多いので、わずかな作業ストレスでも積もり積もって大きなストレスになることもあります。
FileMaker はそうした細かい調整により作業ストレスを取り除くことで、「働く人のモチベーションを保ち続ける」ことができるのです。
まとめ
お客様と一緒に組み込んだ実例を元に、別のサンプルファイルを使って近いイメージでご紹介してきました。FileMaker を使用することで、エクセルでは手間と時間がかかる日別集計をボタン一つで行うなど効率化を実現できます。
データの統合と柔軟なレイアウト画面、スクリプトによる自動化、独自書式のレポート作成が主なメリットです。
一方、学習コストと専門知識の必要性、ライセンスとコストがデメリットとして挙げられます。
総合的に判断すると、大量の日別データを処理し、可視化する必要がある場合には、FileMaker の導入が有益である可能性は高いと言えます。
オリジナルの業務改善システムを構築することで、良いお仕事ができるようになることを願っています!
(参考)
今回の集計とレポートは、FileMaker の基本がわかっている前提で、対面サポート1回~2回分程度、細かい作り込みになると3回~4回分程度の見込みです。
もしご入用があればお申込みよりご連絡ください。
★ 今回使ったサンプルファイルが欲しい方は、下記お問合せフォームよりその旨をお申し出ください。
今日も良い一日を♪
Blogger Comment
Facebook Comment