本記事は ファイルメーカー (FileMaker) 制作経験が未経験~概ね2年ほどの方に向けたものです。
誰でも簡単に作れる・・・はずなのに
あなたはファイルメーカーを独学で制作していますか?
データベースを作る経験があまりないと、最初はどのように構築していっていいか分からないと思います。
そこにリレーション(データを紐づけること)が加わると、ますます頭に?マークがくっついてしまうかもしれません。
ファイルメーカーの場合、「誰でも簡単に作れる!」なんていうキャッチフレーズがついていたりするので、「きっとできるはずだ!」と、あれこれリレーションしてみることになります。
でも結局思い通りにいかない。。
ということも多いかと思います。
リレーションがうまくいかないパターンはいくつかあると思いますが、今回はそのうちのひとつを紹介してみたいと思います。
うまくいかないパターン例の概要
今回紹介するのは、エクセルシートをそのまま使ってファイルメーカーにしてしまうパターンです。
筆記具や備品などの消耗品を管理するエクセルをファイルメーカーで管理するという想定で話を進めてみましょう。
エクセルには5つのシートがあります。
・購入記録
・承認
・筆記(用具)
・事務用品
・備品
購入記録を残して、承認の記録も残したい、という要望のエクセルです。
いろいろとツッコミどころのあるエクセルに見えると思いますが、かなりいい加減に作ったサンプルなのでご容赦ください(^_^;)
ともかく、こういうエクセルをファイルメーカーで管理したい!という想定です。
ファイルメーカーにテーブルを作成してみると・・・
最初はエクセルをファイルメーカーアイコンにドラッグ&ドロップして、ともかくも購入記録シートをファイルメーカー化すると思います。
他のシートもインポートしてテーブルを追加していくと思います。
はい、実はもうこの時点で危うい方向に進んでしまいました。
各シートをうまく取り込んだように見えますが、このテーブル構造はあまりよろしいとは言えません。
なぜよろしくないかというと、ざっくり言えば似たようなテーブルが存在しているからです。
例えば「筆記用具」「備品」「事務用品」の3つのテーブルです。
3つあるということは、管理する(気にする)テーブルも3つあるということです。
もしリレーションする場合、通常より3倍の数のリレーションが必要になってしまい、それだけで煩雑になってしまう未来が待っています。
また、購入記録と承認のほうも、同じような項目があったりしてやはり良い状態とは言えません。
データを追加更新するとき、2つのテーブルを両方とも更新していかなければならなくなります。
そして仮にこの状態でリレーションを組んでみても、やはりあまり良い未来が見えてきません。
まだ5つのテーブルなら何とかなるかもしれませんが、今後拡張していくときに複雑なリレーションを張ることになってしまいそうです。
【註】リレーションが出来ないということではないし、間違っているとも言えないので三角。将来的な拡張の際に追加や修正などの管理が大変になる可能性があるということです。
教訓:
エクセルのシートをそのままテーブルにしてはいけない場合もある。
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ファイルメーカー化する前にデータ整備をする
エクセルのシートをそのままテーブルとして取り込んではいけない場合があります。
ファイルメーカーに取り込む前に、まずデータの整備を考えてみたほうが確実に良いです。
では今回のサンプルではどうなるでしょうか。
次のシート構造はあくまで一例ですが、データ整備を行ってから再度ファイルメーカー化してみたいと思います。
エクセルのシートを3つにしました。
黄色い項目が追加したものになります。
・購入記録
・社員
・消耗品
整備した点は大きく3つです。
①購入記録シートに、購入数と承認者と承認日を追加しました。
②新たに社員シートを作りました。
③筆記・事務用品・備品のシートを消耗品シートに統合しました。
この状態で3つのシートを取り込んでファイルメーカー化してみます。
もうおわかりのように、テーブルは3つだけになります。
リレーションも組んでみます。
※購入記録テーブルに製品番号を追加しました。(消耗品番号という名前の方が分かりやすかったかも)
このデータ整備による変更によって、何が良くなったか。
データ(レコード)をどんどん追加していくのは購入記録テーブルだけで良くなります。
先の5つのテーブルのときは、どのテーブルに追加していけばいいか分かりづらく、1つのテーブルに追加したら他のテーブルにも追加しないといけませんでした。
今回3つだけのテーブルになったことでシンプルになり、データの追加もリレーションもスッキリして分かりやすくなるため、今後の拡張性も楽になります。
ファイルメーカーに取り込む前のデータ整備はどうやってやるの?
データの整備って言うけど、じゃあ何か基準があるの?ということです。
大きく2つの種別を意識して整備すると良いのではないかと思います。
●ログ的なもの
●名簿的なもの(製品一覧、顧客一覧のような)※よく言う「マスタ」はこれ
ログ的なものは、日々データが追加されていくようなテーブルです。
一覧的なものは、たまに編集や追加があるくらいで、頻繁にはデータが動かないテーブルです。
今回のサンプルでいうと、ログ的なものが購入記録テーブルになり、一覧的なものが社員と消耗品テーブルになります。
日々データを追加していくのは購入記録テーブルだけになるので、とてもシンプルになったかと思います。
社員と消耗品は単なる一覧なので、増えたときだけデータ追加することになります。
ちなみに、消耗品シートを作成したときの”ミソ”は、「筆記」「事務用品」「備品」のくくりを「種別」というひとつの項目にしてしまったことです。
それによって、消耗品シートというひとつのシートにすることが出来、3つのシートが1つのシートになりました。
まとめ
リレーションはよく分からない・・・、という方は多いです。
JBI では、初心者でも分かりやすくリレーションをお教えしています。
2時間のレクチャーを2~4回程度で基本を習得して頂けます。(※個人差による)
リレーションにお困りの時はご相談ください。
さて、最初の5つのテーブルは間違いかというと、決してそんなことはありません。
ただ、データ管理の手間や将来の拡張性を考えると、エクセルをファイルメーカー化する前に一度データ整備をしてから制作を進めた方が良いと思います。
ガッツリと運用が始まって色々と機能追加された後だと、もう簡単に作り直すことができない状態になる場合が多いからです。
ファイルメーカーを制作していく上で、参考になれば幸いですヾ(*´∀`*)ノ
今日も良い一日を♪
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