投稿内容:「FileMaker営業支援ツールの改善サポート事例[vol.1]」
営業支援ツールの改善等のご依頼
FileMakerは個人の使用から数百人の使用まで広く対応するアプリケーションです。
今回は個人でFileMakerを利用しているDさまからのご依頼事例をご紹介します。
Dさまは医療関係の会社で営業を行っている方です。
転職を機に、日々の営業活動をデータ化させて成績向上につなげたいお考えでした。
しかし、それを実現するためには様々なハードルが立ちはだかっているようでした。
ご相談を頂いた際にヒアリングした内容の一部をご紹介させて頂きますが、前に進みたくても進めないもどかしさがひしひしと伝わってきました。
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JBI:なぜFileMakerで管理しようと思ったのでしょうか。
Dさま:Accessより構築がスムーズだと考えたためと、iPhoneとの連動性を考えるとFileMaker の方がシームレスであると考えたからです。
JBI:FM17は始めたばかりとのことですが、旧バージョンの制作経験はあるのでしょうか。
Dさま:Ver12とFileMaker Goを購入し、同じ考えでシステム構築を試みましたがほとんど何もできずに終わりました。日々の業務をしながら一人で初心者がトライするのは想像以上にハードルが高く感じました。
JBI:現在の顧客管理は別のシステムか何かで管理しているのでしょうか。
Dさま:転職をしたばかりでシステムとしては何もないです。FileMaker17で日々の活動履歴を残す簡単なものを作成したので、DropboxとiPhoneを使って運用しています。入力はできるものの閲覧するための仕組みはできておりません。
JBI:現在すでに顧客管理用にFileMakerの制作を始めているのでしょうか。
Dさま:簡単なものを作成してみました。教室にも一度通ってみましたが初心者にとっては費用対効果の面で継続は厳しいと感じました。
JBI:他のデータベースやエクセル等のITのご経験度合をざっとで良いので教えて頂けますか。
Dさま:Accessで2005年頃、リレーションを組んで簡単な顧客管理システムを作ったことがあります。売上データからグラフまで作成したのですが、バグが多々あったこととPCでの運用が機動性を欠いていたため運用できませんでした。
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これはなんとかお役に立たねばと、一度コンサルとしてお話しを伺うことにしました。
コンサル
FileMakeの教室で作ったというファイルがあり、拝見させて頂きました。
UIはとてもキレイに出来ていて、これでなぜ困っているのだろう?と思いました。
でも、いろいろお話を伺ううちに様々な問題点が浮かび上がってきました。
その中でも重要と思われる問題点を挙げてみたいと思います。
(1)ファイルの構造を理解できないまま作成されている。
(2)リレーションの構造に問題がある。
(3)見たいデータが見れていない。
(4)PCとiPhoneの連携に手間がかかっている。
コンサルをさせて頂いた中で、大きく4つの問題点が浮かび上がってきました。
僕が特に問題視したのは「(3)見たいデータが見れていない」です。
これは本当に哀しいことで、データを見たいからデータベースソリューションを作るのに、見たいデータが見れないのでは全く意味のないソリューションだと言わざるを得ません。
見た目がキレイなのは後から付属することで、まずは画面が不格好でも見たいデータを見れるような作りにするべきだと僕は思います。
FileMakerの教室で先生に教えてもらいながら制作したとのことですが、教室やスクール特有のメリット・デメリットがあります。
空調のきいた部屋で整ったPC環境で基礎から教えてもらうにはメリットだと思います。
その反面、時間の制約があったり、その後のフォローができなかったり、講師との相性が合わないまま受講せざるを得なかったり、といったデメリットもやはりあると思います。
個人レクチャーにより暫定的な改善を行う
コンサルにより、まずは上記のような現状の問題点を洗い出しました。
現状が見えなければ、改善のしようがありませんので。
コンサル後、Dさまのご要望によりそのまま続けて個人レクチャーへと移行することになりました。
騙し騙しではありながら既に運用を行っていることもあり、その日に大きな改善をすることは出来ません。
何か不具合が出てしまうと、運用そのものが出来なくなってしまうからです。
優先順を話し合い、とにかくまずは(3)を解決しようと決めました。
(3)であれば1.5hの中でなんとかなるだろうという判断です。
結果から言うとその判断は正解でした。
なんとか時間内にTOPページにポータルで見たい数字を出すところまで変更することができました。
基本的に僕は横にいて操作指示と説明がメインで、手を動かすのはご自身にやってもらっています。
なのでひとつひとつの操作や編集に時間がかかってしまうのはやむを得ません。
その代わりご自身の手を動かすことで記憶にも残りやすくなり、新たな疑問も湧いてきたりします。
FileMakerでなんとか自立してもらいたいというコンセプトから、そのようなレクチャー方式をとっています。
修正はしましたが、ただしこれは暫定的な処置です。
今後、売上の数字を蓄積して見れるようにしたいなどの展望もあるため、そのままのファイル構造では拡張性に難があります。
問題点の(1)と(2)を解決しないことには未来はないと思っていて、Dさまにも説明して同感を得て頂けました。
(4)については優先順は下げても良いという判断のもと、(1)と(2)を進めるべく、個人レクチャーを継続して行っていくことになりました。
[vol.2]へ続く>
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