投稿内容:「ジーンズリペア店でのFileMaker導入事例についてご紹介します」
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2019.1.11追記
事例<その2>をアップしました!<その2>を見る >
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ご相談の依頼をくださったのは「ジーンズリペア工房 jeans704」さまです。
jeans704さまはジーンズソムリエ資格認定店ということもあり、テレビや雑誌でも取り上げられるようなとても信頼のあるお店です。
ジーンズ修理だけではなくバッグや皮革製品も取り扱っていて、大事にしているジーンズやバッグのお医者さんといったところでしょうか。
こういったお店が都内にあるというのは嬉しいですよね!
今回ご依頼を受けた内容は、「修理受付管理システムをFileMakerでつくりたい、出来ればPOSレジっぽいことも」というものでした。
まずは個人レクチャーという形でお話を聞くことに。
レクチャーの場所は店主の川畑さまと事前相談の上、僕がお店にお伺いすることになりました。
お店は19:30に終了するので、余裕をもって20:30から行うことにしました。
こういった柔軟な対応ができることが僕の強みなのですが、有難く思って頂けるのでこちらも嬉しいです(*´∀`*)
さて、事前のヒアリングと実際にお会いして聞いてみた内容をまとめると次のようなものでした。
・店舗を引越しする予定で、今のレジが使えなくなるため管理システムをFileMakerに移行したい。
・FileMakerの制作経験はほとんどないが、触ったことはある。
・FileMakerのStarterSolutionにある「請求書.fmp12」を改変して使いたい。
・修理の会計処理や納期管理をしたい。
・お預かり票を発行出来るようにしたい。
・問合せがあった際にぱっとデータを見つけたい。
・カルテをデータとして保管したい。(今はほぼ紙)
・タグIDは現在の番号をそのまま継続したい。
なるべく時間もコストもかけたくない
内容からして、イチから作るとなかなかのボリュームになります。
そこで「おっ」と思ったのが、StarterSolutionにある「請求書.fmp12」を改変して使いたい、というご希望です。
なるほど、すでに出来上がっているソリューションを使えば時間もコストも大幅に削減できます。
さすがFileMakerをご存知のことはあるなあ!と思いました。
※FileMaker Pro16の「応用ソリューションを表示する」
この発想の裏には、お店の切実な理由がありました。
新店舗への引越しが、最初にお話を伺った日から2週間後に迫っていたのです。
イチからファイルを作っていては、とてもじゃないけど間に合わない可能性が高いでしょう。
そういう逼迫した状況でのご依頼でした。
個人レクチャーでは、制作は基本的にご自身で行って頂いています。
そのためお手頃価格でいまはご提供しています。(2018年7月現在はキャンペーン中でさらにお得!※キャンペーンは予告なく終了する場合があります。)
僕が制作してしまうと受託開発になってしまうので開発コストがかかってきます。
StarterSolutionを使うのは、時間とコストを見事に解決できる手段なのです!
僕も実際に「請求書.fmp12」ファイルの中身を見て、「これは確かに使えるし、新店舗引越しまでに間に合うかもしれない!!」と思いました。
お客様情報と、製品情報、金額を管理できるので、最低限の機能は備わっています。
あとはお店に合わせて少しカスタマイズしてあげれば良さそうでした。
StarterSolutionを紐解く
この「請求書.fmp12」を使うにあたって、まず乗り越えなければいけないことがありました。
ファイルの構造です。
StarterSolutionはかなり充実した機能がデフォルトで備わっています。
ところが、ぱっと見た感じでは「???」な感じで、どこに何を入力すれば良いのかが分かりづらいのです。
おそらくファイルを作ったのが日本人ではないところに原因があるように思いますが、どうなんでしょう。(FileMakerの本社はアメリカ)
ともかく、まずはファイルの構造を知ってもらうところからお話を進めました。
テーブル構造とリレーション
<テーブル>・会社ダッシュボード
・請求書
・請求書データ
・顧客
・製品
・注文
テーブルは上のようになっていますが、今回のケースで実際に使用するのは上からの5つのみで、「注文」テーブルは使わなくてよさそうです。
リレーションシップグラフを見るとシンプルに見えますが、どんどん追加していくには少々難があるようです。
必要最低限のテーブルオカレンス名が災いして、テーブル同士の関連性が分かりづらいためです。
リレーションは極力追加しない方向でいければと思います。
そして、まず必要になってくるのが「顧客」と「製品」のデータです。
StarterSolutionが分かりづらいという感覚は、データが1件も入っていないためでもあります。
マスタになるその2つのデータがある程度入れば、ファイル自体のイメージも具体的につかめるようになり、お店で必要/不要な項目が見えてきたり、具体的な疑問点も出てくると思いました。
いまはまだ、最初にヒアリングした大目的しかないので、具体的になにから始めればいいのか分からない状態なのです。
そこで次回のレクチャー時までに少なくとも数件の「顧客」と「製品」のデータを入れてもらうようお願いしました。
更に、色んな疑問点や「あーしたい、こーしたい」をメモしてリストにしておくようにもお願いしておきました。
「あーしたい、こーしたい」の重要さ
次にお会いした時には、おおかたの製品情報が入力し終わっていて、顧客情報もかなりの数を入れて頂いてました。
引越しの準備で大変なのに、熱心にFileMakerに取り組んで頂いたことに驚きと感銘を受けました。
まあ、FileMakerが動かないと商売が滞ってしまいますから、やらないわけにはいきません汗
そして案の定、データを入れることによって色んな「あーしたい」「こーしたい」が出てきました。
これが出てこないと、漠然と制作を進めることになってしまいます。
最終目的は実運用ですが、それまでの間にはいくつもの小さな目的が点在しています。
それをひとつひとつクリアしていくことによって、実運用に則したシステムが出来上がります。
ではその「あーしたい、こーしたい」を書き出してみます。
・「お預かり」「作業中」「お渡し」のステータスを付けたい。
・トップページでそのステータスを一覧でぱっと見れるようにしたい。
・「製品」に「ジーンズ穴」「ジーンズ膝」などのカテゴリーを持たせたい。
・お会計の税率が1円ずれるので直したい。
・お預かり金額とお釣りの項目を作りたい。
・製品を選択する箇所を見やすくクリックしやすくしたい。
・お預かり票を印刷できるようにしたい。
・一時お預かり金の管理をしたい。
・製品選択の箇所を自分でカスタマイズしたらポップオーバーが一瞬出て煩わしい。
・顧客一覧をクリックしたら、クリックしたはずの顧客データに飛ばない。
・トップページから顧客またはIDで検索したい。
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お預かり票の印刷
お預かり票の印刷はなかなか難易度が高いものでした。
お客様用とお店用の複写に近い2枚が必要になるからです。
いまあるプリンターが普通の家庭にあるようなタイプで、お預かり票のような小さいサイズの紙をプリントするには向いていないからです。
そこで僕が提案したのはA4またはB5で出すように設定し、お客様用とお店用を並べて印刷、それを二つに切るという、ややアナログ的な方法でした。
ともかく時間が無いという状況で、どうすれば一番手がかからないかを考えた結果です。
印刷用のレイアウト作成もそうですし、プリントアウト後のお客様への対応も併せて考えると、取り急ぎの解決方法としてはまずまずなのかなと思いました。
しかし川畑さまは僕の考えをいとも簡単に飛び越えてしまいました。
後日、中古のサーマルプリンターを購入し、すんなりとスマートなお預かり票の印刷に成功したのです。
もちろん印刷レイアウトはすべてご本人が調整しました。
ただ、何かのテストで印刷が止まらずに紙がずっと出続けることがあったとのこと。
そこで、ヘッダやフッタを外してみることを提案しました。可能性として、サーマルプリンタの場合ヘッダやフッタがあると改ページをしようとしてしまう気がしたのです。(お忙しいのでまだ試して頂いてないかもしれません)
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トップページのステータス一覧
「あーしたい、こーしたい」の中で最も難易度が高かったのは、トップページで各ステータスの一覧を表示するものでした。
トップページには元々「すべて」「期限切れ」「未払い」「支払済み」という一覧をタブで見れるようになっていました。
ここに「お預かり」「作業中」「お渡し」を追加するのです。
これには不覚にも悩まされてしまいました。。
情けないことに一度のレクチャーでは終えることができず、二度ほど持ち帰りとなってしまいました。
「期限切れ」「未払い」「支払済み」と「お預かり」「作業中」「お渡し」は別のテーブルということと、元々の仕様を完全に把握できていないことが要因でした。
大変勉強させて頂いた課題でした。
カルテの管理
カルテというのは、ジーンズの修理箇所を記載するシートです。
そのシートでお客様と認識をすり合わせます。
これも見事に川畑さまはご自身で解決されました。
「請求書.fmp12」を起動したPCに、Wi-FiでつながったiPadを共有させて、iPadのカメラで写真を保存したり、赤丸を編集で書き加えるなどします。
元々「請求書.fmp12」にあった機能を再利用しただけだと本人はご謙遜されていましたが、いやもう立派なソリューションになっていました。
さらにバーコード読み取りまで取り入れており、感服しかございません。
ただ、読み込んだ後の文字列が直接使えないようなので、こちらは後日またアドバイスさせて頂く予定になっています。
ご感想を頂きました
初回のレクチャーが終わった後に恐縮ながら川畑さまよりご感想を頂戴しました。
「なにも分からない私に丁寧に御指導いただいて本当に感謝です。
個人レクチャーとはいえ、土壇場でお時間や場所も無理言いましたのに可能な範囲、要望に答えていただきまして大変申し訳ないかぎりです。
何を教わるかも明確になっていない私のざっくりした要望に親身に聴いていただき、的確な状況判断していただきながら、何からすればいいのか、どう進めていけばいいのか明確に御指導していただきました。」
まだシステムとしては道半ばで、現在も引き続きお付き合いさせて頂いています(´▽`)
店主の川畑さまは人柄も大変良く、自分の気に入ったジーンズを預けるならこういう方にお願いしたいなと思いました。
今度是非ジーンズのリペアを頼みたいと思います(^O^)
あなたも履けなくなったジーンズや壊れた革バッグがあれば、一度相談してみてはいかがでしょうか??
ジーンズリペア工房「jeans704」 ※JR浅草橋駅から徒歩5分
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2019.1.11追記
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FileMakerのご相談はお問合せからどうぞ♪
今日も良い一日を♪
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